嗅覚/視覚/触覚
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ボクは、キミの髪を洗う。
膝の上に頭をのっけている君の髪に、シャンプーをつけたボクの指が入ると、 するりと抜ける。
ごしごしやって。
泡がいっぱいになると、柔らかい香りがさして広くない浴室に広がる。
それだけで、満足してしまう。

* * * * 何ニヤついてんだよ

濡れた髪の隙間から、ジロリと睨まれる。
鋭い眼差しに、背筋が粟立つ。
興奮してしまいそうだ。
けれど、努めて平静を保って。
温度を調節したシャワーを向けて泡を流した。

* * * * 緒方クン、目に染みないかい

ふん、と鼻で笑う気配。
ボクはそんなキミの態度、好きだけど。
虚勢を張るのは、ベッドの上だけにして欲しいな。
手にしたタオルで、まだ水滴が滴っている頭をわしゃわしゃと揺さぶった。
小さな水滴が、ボクの顔にまで飛んでくる。
素直にされるがままになっているキミ。
サクラ色に染まった耳があんまりかわいくて、 タオルを動かす手を止めそっと唇で触れてみた。
細い産毛が、唇に挟まる。

* * * * んっ

湯で曇った鏡に映るキミの横顔が、僅かに歪んだのを見逃さなかった。

* * * * 白川、早くしろ

はいはい。わかりました。
ボクは一端浴室から出ると、スタンバイ済みのドライヤーを コードいっぱいまで伸ばして、キミの髪に温風を当てた。
裸の肩の水滴は、弾んで落ちる。
濡れていた髪がどんどん軽くなる。
指で梳いてやって、流れを軽く整えると、幾分幼く見えるキミ。

* * * * じゃあ始めるよ

右手にだけビニールの手袋をして、左で容器を持つ。
キミの乾いた髪に、染料をのせた。
まずは、後ろの根本から。
そして、側面の耳のそば。
さっきボクが口づけた耳に染料をつけないように、注意しながら。
全体の髪の根本に行き渡ったのを確認して、 しばらく待たないといけないことに気付く。
この時間を有効に使わなければ。

ボクは背後から、裸のままのキミの背中を指でなぞった。
ぼこぼこと浮き出ている背骨のラインを、まっすぐ。
動けないのをいいことに、そのまま悪戯を続けようか。

* * * * 白川っ!!

怒った声も、好きだよ。
もっと聞きたくて、指をいろんなところに這わせた。
浴室に響く声が、いつもと違っていていい。
夢中になりすぎたボクがいけなかった。

* * * * お前も、染めろ!

うわ、わ、わ、ちょっと待って!
ボクの黒髪の上に、残っていた染料が降り注ぐ。
このままじゃ、まだらになってしまう。

* * * * わかった、降参、降参するから

邪気のない笑顔にノックダウン寸前、それでも腕を掴んで取り上げる。
手袋をした右手で頭を固定しながら、残りをふりかけた。
もうほとんど無くなってしまって、 どうやらボクの髪はまだら模様が決定のようだ。

* * * * 後で同じの買ってきてやるよ

それって、いったいどれぐらい待たなきゃいけないのか。
まだ笑いのひかないキミは、肩を震わせてボクを見る。

* * * * それまでココに居ろよ

[ magir ]


*ありがとーございますー!magir様vv
甘えたサンの最後の一言が好きー◎







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